Archive for 4月 1, 2009

すれ違う物語

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by Edweine Loureiro
訳:福嶋伸洋

すれ違いを経験したことのないひとがいるだろうか? さらには、生まれた土地を離れて生きていて、偶然にも同じ場所の出身者に出会ったとき、嬉しくならないひとがいるだろうか? 人生においてそのような偶然性にドラマやコメディが想を得てきたとすれば、映画においてもまた、このテーマは「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)が象徴するようなものの素晴らしい作品を、〝第7芸術〟においても数多く生み出してきた。たとえばチャップリンの「街の灯」(1931)というような。

すれ違いのテーマは、カヴィ・ボルジス監督——去年開催された〝The Rabadas Cinema Clube〟でも公開された「Pretinho Babylon」の監督でもある——の短篇「間違い電話」において再び極めてブラジル的なトーンを持つに至っている。

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35mmを用い、アメリカの監督マイク・フィッギスの実験的映画「タイムコード」を思わせるスタイルで、”長回し”(パラレルに進む複数の物語を提示するために、ひとつの画面を同時進行するシーンに分割する手法)を取った「間違い電話」は、リオ•デ•ジャネイロの街路で起こる出会い(すれ違い)のストーリーを語っている。ガウーショ(リオ・グランヂ・ド・スル出身の男)マルセロが、オーディションに向かう途中で、遅刻しそうになる旨を電話で伝えようとする。しかし間違って、同じく面接へと向かっている——まさしく——別のガウーシャ(リオ・グランヂ・ド・スル出身の女)の番号にかけてしまうのである……。彼は直ちに、同じ土地の出身者に出会う可能性に熱狂する。しかし彼女は落ち着いていて、言うまでもなく、面接へと急いでいる。

才能豊かな、フェリペ・モナコ、ミラ・デーゼトという俳優人が確かな演技で短篇を支え、ブラジルには今後掘り出されてゆくべき俳優の素晴らしい新世代がいることを再確認させてくれる。さらには、両者の演技は、2008年のフェスティヴァルにおいて賞を受けている。モナコがブラジリアン・フィルム・フェスティヴァルの最優秀俳優賞の賞を得た一方で、ミラはカーボ・フリオ短篇映画祭で最優秀女優賞を獲得した。この短篇は、ブラジル中で、合計9つの賞を得た。そのひとつが、2008年のセルジッピの短篇映画祭の観客審査による最優秀35mm賞である。

様々な方面で評価を得たこの短篇は、まもなく日本の観衆へと届けられる。「間違い電話」は2009年の〝The Rabadas Cinema Clube〟のプログラムに入る。ぜひサイトをこまめにチェックしてほしい。

次回のTHE RABADAS CINEMA CLUBEのイベントの情報は、こちら

4月 1, 2009 at 4:35 am コメントを残す


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